読みもの
求人票は募集要項、労働条件通知書は別の書面
先に結論
- 19項目は固定。求人票の内容にかかわらず、労基法15条・同法施行規則5条が定める項目を1つも省略せず並べる。
- 「書いていないことは書いていないと言う」。求人票の文言から都合よく埋めることはせず、曖昧な表現は「要確認」に倒す。
- これはたたき台。要確認欄をすべて埋め、内容を精査したうえで、正式な労働条件通知書として発行する。
採用が決まったあと、労働基準法は会社に「労働条件通知書」という書面(または電子メール等)での明示を義務づけています。求人票は本来「応募を集めるための文章」であり、通知書に求められる精度(配置転換等の変更の範囲、契約更新の基準、賃金の締切日と支払日の別など)まで書かれていないことがほとんどです。特に2024年4月の法改正で、就業場所・業務内容の「変更の範囲」や、有期契約の更新上限の有無が新たに明示事項に加わり、中小企業では気づかれにくくなっています。この道具は、出している求人票の文章から、19の明示事項を機械的に洗い出し、求人票から拾えたものと、社内で確認・記入が必要なものを分けてたたき台にします。社会保険労務士ではないので、最終的な正式発行は自社の確認を経てから行ってください。
1求人票にある情報と、通知書に必要な情報は別物
求人票の「時給1,200円~(経験者優遇)」「勤務時間 応相談」「休日 シフトによる」のような書き方は、応募を集めるには十分でも、労働条件通知書としてはそのまま使えません。確定した金額・時刻・曜日まで必要になるためです。
この道具は、求人票の文言が「そのまま使える」のか「ヒントはあるが確定が必要」なのか「記載自体がない」のかを、項目ごとに機械的に分けます。
- 契約期間・更新基準
- 就業場所・業務内容とその変更の範囲
- 始業終業時刻・休憩・休日・休暇
- 賃金の決定計算支払方法・締切支払時期
- 退職・解雇に関する事項
22024年4月の改正で増えた項目は見落とされやすい
2024年4月の労働基準法施行規則改正で、「就業場所・業務内容の変更の範囲」と「有期労働契約の更新上限の有無とその内容」が新たに明示事項に加わりました。求人票のフォーマットが改正前のまま更新されていない会社も多く、見落としが起きやすい部分です。
この道具は、この2項目についても必ず出力枠を用意するため、求人票に記載がなければ「要確認・要記入」として機械的に浮かび上がります。
3パート・アルバイトには、追加で明示が必要な項目がある
短時間・有期雇用労働者(パート・アルバイト・契約社員など)には、昇給の有無・退職手当の有無・賞与の有無・相談窓口(担当者)の4項目を、文書等で追加して明示する必要があります。
| 項目 | ポイント |
|---|
| 昇給の有無 | 「有」「無」のいずれかを明示する(制度の詳細まで求められるわけではない) |
|---|
| 退職手当の有無 | 制度が無い場合も「無」と明示する |
|---|
| 賞与の有無 | 業績連動等で変動する場合もその旨を含めて明示する |
|---|
| 相談窓口 | 担当者の部署・氏名等を明示する |
|---|
求人票にこの4項目が書かれていることはほぼ無いため、この道具では常に「要確認・要記入」として出力されます。見落としを防ぐための確認リストとして使ってください。
4この道具でできないこと
これは法律相談・法的助言ではありません。通算契約期間が5年を超える場合の無期転換申込権の判定は、求人票の情報だけでは行えないため対象外です。正式な発行前には、要確認欄をすべて埋めたうえで、必要に応じて社会保険労務士など専門家にご確認ください。
よくある質問
- この結果をそのまま労働条件通知書として発行できますか?
- できません。これはたたき台です。「要確認・要記入」欄をすべて社内で確認・記入し、内容を精査したうえで、正式な労働条件通知書として発行してください。
- この結果は法律的に正しいですか?
- 法律相談・法的助言ではありません。労働基準法施行規則(2024年4月時点)が求める項目を機械的に洗い出したものです。個別の判断については社会保険労務士など専門家にご確認ください。
- 正社員の求人でも使えますか?
- 使えます。雇用形態は求人票の文言から判定して表示します。短時間・有期雇用労働者向けの4項目(昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口)は、正社員の場合も出力はされますが、該当しない旨を確認のうえ記入してください。
- 求人票に実在する会社名や担当者名が入っていても大丈夫ですか?
- 結果には実在の企業名・個人名をそのまま出さない前提で作っています。気になる場合は、貼る前に該当箇所を伏せてください。
↑ この道具を使う
このページは労働条件通知書のたたき台を作る使い方の説明です。正式な発行前の最終確認、個別の法的判断については、社会保険労務士など専門家にご確認ください。