最低賃金は2026年10月からいくらになる? 県ごとに発効日が違うので、自分の県を先に見る
毎年秋に最低賃金が上がりますが、「10月1日から」と思っていると外れます。発効日は都道府県ごとに違い、今年は10月1日から12月2日まで2か月の幅があります。しかも上がるのは勤め先が黙って処理することが多く、本人は明細で気づくか、気づかないままかのどちらかです。ここは、自分の県の額と日付を確かめて、時給が届いているかを見るための整理です。
今年の改定(令和8年度):全国で54〜65円、加重平均1,177円
厚生労働省が2026年9月3日に公表した「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」によると、47都道府県すべてで改定額が答申され、引上げ額は54円から65円、全国加重平均は改定前の1,121円から1,177円になりました。
最高額は東京の1,280円、次いで神奈川の1,279円。最低額は宮崎・沖縄・高知などの1,085〜1,086円です。引上げ額がいちばん大きいのは佐賀の65円、鹿児島の64円で、額が低い県ほど上げ幅が大きい傾向があります。
額はこの道具の表にそのまま入っていて、AIが計算するわけではありません。
発効日は県ごとに違う。10月1日に上がるのは15都道府県
今回いちばん見落としやすいのがここです。10月1日に発効するのは北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川の15都道府県だけで、残りは10月2日から12月2日の間に順次発効します。
たとえば京都は11月16日、佐賀は11月15日、岩手と熊本は12月1日、沖縄は12月2日です。同じ「今年の改定」でも、隣の県と2か月ずれることがあります。
なお厚生労働省の別紙には「発効日は答申公示後の異議の申出の状況等により変更となる可能性有」と注記されています。日付は予定として見てください。
比べるのは「基本の時給」。手当や割増は入れない
自分の時給が最低賃金に届いているかを見るとき、明細の合計を時間で割ってはいけません。最低賃金法とその施行規則で、比較に入れない賃金が決まっています。臨時に支払われる賃金(結婚手当など)、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)、時間外・休日・深夜の割増賃金、そして精皆勤手当・通勤手当・家族手当です。
つまり見るのは、明細の「時給」や「基本給」の欄です。通勤手当を足せば最低賃金を超える、という計算は成り立ちません。
月給の人は、月給を月の所定労働時間で割って時給に直します。所定労働時間の数えかたで結果が変わるので、この道具で出る換算は目安です。
下回っていたらどうなるか
最低賃金法第4条では、最低賃金額より低い賃金を定めた契約はその部分について無効となり、最低賃金と同額の定めをしたものとみなされます。つまり契約書に低い額が書いてあっても、法律上は最低賃金額が時給になります。
ただし、それが自動的に明細に反映されるわけではありません。実務では、まず勤め先に「いつから・いくらになるか」を確認するところからです。勤め先が改定に気づいていないこともあります。
確認しても直らない場合は、労働基準監督署や労働局の相談窓口に相談できます。相談は無料です。このページも、この道具も、勤め先が違法かどうかを判定することはしません。確認の材料を出すところまでです。
この道具がやること
働いている県と、いまの時給を入れると、その場で改定後の額・発効日・差額と、発効日までの残り日数が出ます。月給の人は月給と月の所定労働時間から目安の時給に換算します。
そのうえで、勤め先に「いつから・いくらになるか」をそのまま聞ける一文と、発効日を過ぎても上がっていなかったときの道(明細を残す→勤め先に確認→労働基準監督署)をつくります。
よくある質問
- 最低賃金は2026年10月からいくらになりますか?
- 県によって違います。令和8年度は47都道府県で54〜65円引き上げられ、全国加重平均は1,177円です。最高は東京の1,280円、最低は宮崎・沖縄・高知などの1,085〜1,086円です。自分の県の額はこの道具で県を選ぶとその場で出ます。
- 最低賃金はいつから上がりますか?10月1日ですか?
- 県ごとに違います。10月1日に発効するのは15都道府県で、残りは10月2日から12月2日の間に順次発効します。たとえば京都は11月16日、沖縄は12月2日です。発効日は異議の申出などで変わることがあると厚生労働省が注記しています。
- 通勤手当を含めれば最低賃金を超えているのですが、それでいいですか?
- いいえ。通勤手当・精皆勤手当・家族手当、賞与、時間外や深夜の割増賃金は、最低賃金との比較に入れません。見るのは手当を足す前の基本の時給です。
- 月給なのですが、最低賃金を下回っているかどう見ればいいですか?
- 月給を月の所定労働時間で割って時給に直します。所定労働時間の数えかた(年間の所定労働日数×1日の所定時間÷12など)で結果が変わるので、あくまで目安です。この道具では月給と月の所定時間を入れると換算した目安が出ます。
- 時給が最低賃金より低いままだったらどうすればいいですか?
- 最低賃金法第4条により、最低賃金より低い定めはその部分が無効で、最低賃金と同額の定めをしたものとみなされます。実務ではまず勤め先に「発効日以降の時給を確認したい」と伝え、直らない場合は労働基準監督署や労働局の相談窓口に相談できます(無料)。
↑ この道具を使う
出典:厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」(2026年9月3日公表・別紙)/最低賃金法第4条・同法施行規則第1条。発効日は答申公示後の異議の申出等により変更となる可能性があります。このページは制度の一般的な内容を説明するもので、個別の賃金についての法的助言ではありません。